深谷商工会議所報-7月号
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ili2②リスクの洗い出し 実際に発生したら困ると思われるリスクを全て書き出し〝言語化〞します。地震や台風、火災などの自然災害や、事故や事件、テロ、ウイルス感染、伝染病の流行、サイバー攻撃、地盤沈下など、起こりうる災害を想定し、事業に及ぼす被害をより具体的な形で洗い出します。③リスクに優先順位をつける 全てのリスクに対処することは非現実的であり、災害発生時に限られた資源を効果的に投入するためにもリスクに優先順位をつけ、優先度の高いリスクに絞ったBCPを策定することが重要です。優先順位をつけるポイントとして〝発生頻度〞と〝深刻度〞の2つの軸で判断します。④実現可能な具体策を決める BCPでは誰が指揮を執り、誰がその指示で行動するかという詳細を具体的に決める必要があります。それぞれの緊急事態に対し、細かく内容を決めておくことで冷静な判断や行動を取ることができ■BCPとは? その意味と目的を振り返る■起こりうるリスクの確認Busness Continuity 近年、日本各地で発生している豪雨や地震などの自然災害や、特に昨今の新型コロナウイルス感染症拡大などにより大きな損害を受けている企業も少なくありません。このような緊急事態時に損害を最小限に抑え、事業を継続させながら早期復旧を図ることはとても重要であり、事業継続に向けた事前の計画〝BCP(策定は、現在全国的にも多くの企業が取り組まれており、企業経営に必要不可欠なものとなりました。今回の特集では深谷商工会議所が行うBCPに関する支援について、これから取り組まれる会員事業所の皆さまにご紹介いたします。Pannng)〞の不測の事態に備える第一歩深谷商工会議所の事業継続計画(BCP)策定支援 大地震や洪水などの自然災害や、世界中で猛威を振るっている新型コロナウイルスの蔓延などにより、企業が危機的な状況に遭遇した際、損害を最小限に抑え、重要な業務を継続しながら早期復旧を図るための計画が〝BCP〞です。このBCPは単なる防災対策とは異なり、事業の継続に重点を置き、具体的な行動指針を示すことにあります。緊急事態時でも途切れず事業を継続させ、万が一途切れた場合でも早期復帰ができれば、企業の社会的な信頼も得ることができます。 しかし、策定後にBCPが効果的に働かず事業の継続ができなくなった例もあり、その原因としては「策定したBCPが社員全員に周知されていないため、実際の場面で行動に移せなかった」「復旧目標が現実に即していなかったため実行不能であった」などということが全国的に多く見受けられます。このことからも、変化する日々の現状を把握・分析した上で、次の戦略に結び付ける継続的な改善こそがBCPの役割だと考えます。 BCPの策定を行う場合は段階を踏んで進めていき、実際のBCP策定時にはどのように進めるかの具体的な手順についてご説明します。①策定の目的設定と中核事業の確認 皆さまの企業が掲げる〝経営理念〞や〝基本方針〞に立ち返り、『従業員の人命を守る』『お客さまからの信頼を守る』などの基本方針を再度確認します。皆さまの企業の最も重要な業務は何かを明確にし、想定されるリスクを言語化します。緊急事態発生時に事業を継続させる上での最優先事項を〝中核事業〞と呼び、「売り上げが最もある事業」や「企業の信頼を維持するための業務」などがこれにあたります。SPECIALFEATURE特 集

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